「人手不足」は本当?中小企業が陥る「人任せ不足」と経営者が手放す勇気
「人が足りない」
多くの中小企業の経営者が、そう感じています。
忙しいのに、なぜか会社が前に進んでいない。
そんな感覚はありませんか?
- 採用を出しても応募が来ない。
- 来ても、育てる時間がない。
- 結局、自分でやるのが一番早い。
——本当にそうでしょうか?
実は、現場でよく聞く悩みを紐解いていくと、問題は「人手不足」ではなく「人任せ不足」であるケースが少なくありません。
「任せられない」理由は、能力ではなく業務構造 ― 人手不足に見える本当の原因
「任せたら、結局やり直すことになる」
「説明する時間がない」
「品質が下がるのが怖い」
どれも、もっともです。
ただし、これらは「人の能力の問題」ではありません。多くの場合、
- 経営者または特定の個人しかやり方を把握していない業務(属人化)
- 判断基準が言語化されていない仕事
- なんとなく続いている作業
が積み重なり、「任せられない」のではなく「任せられる形になっていない」。
つまり、「業務構造」の問題です。
経営者の仕事が、いつの間にか「作業」になっていないか
本来、経営者が時間を使うべき仕事は、
- 意思決定
- 方向性づくり
- 売上や仕組みの設計
- 次の一手を考えること
のはずです。
それなのに現実は、「本来は他の人に任せられる作業」に追われていませんか?これは、忙しいのではなく“経営者の時間の使い方が詰まっている状態”です。そしてこの状態は、放っておくほど慢性化し経営者のリソースを圧迫します。
「自分でやった方が早い」が会社を止める理由
「自分でやった方が早い」
短期的には正解です。
しかし、その判断を繰り返すほど、経営者の時間は永遠に空きません。一度仕組みにすれば手放せる仕事が、ずっと自分の手元に残り続けてしまいます。
結果として、
- 忙しいのに前に進まない
- 新しい施策を考える余裕がない
という状態に陥ります。
仕事を任せるために必要な3つの整理ポイント(丸投げにならない方法)
「任せる=丸投げ」と思われがちですが、実際はその逆です。任せるために必要なのは、
- ゴール:何をもって完了か
- 判断基準:どこまで自分で判断してよいか
- 背景:なぜその業務が必要なのか
この3点が揃うだけで、「丸投げ」ではなく「任せる」が成立します。
最初は、とても手間がかかります。だからこそ、つい後回しになってしまう。
でも一度整理できれば、その業務は「何度も自分がやる仕事」ではなくなります。
任せても失敗しない業務の見極め方
すべての業務を任せる必要はありません。
まずは、次の条件を満たすものから切り出します。
- 判断基準がシンプル
- 成果物が明確
- ミスをしても修正可能
たとえば、事務作業、SNS投稿の下書き、画像加工などは、本来経営者がやる必要のない業務です。「考えなくても手が動く仕事」は、最初に手放す候補です。
また、月に数回、繁忙期だけ、キャンペーン時だけ。など、毎日やらなくてもいい仕事は、採用よりも外注・業務委託の方が合理的です。
- 必要なときだけ依頼できる
- 固定費にならない
- 専門スキルを使える
「雇うほどではない仕事」こそ、手放しやすいポイントです。
任せる=コントロールを失う、ではありません。むしろ、任せないことで経営判断の質は下がります。
判断すべきことが増えすぎ、本来考えるべきことに集中できなくなるからです。
採用だけが解決策ではない|外注・業務委託という選択肢
業務が回らない理由を「人がいないから」と捉えてしまうと、解決策は採用しかなくなります。
人手不足=採用、ではありません。
まずは、業務構造の見直し、そして業務の性質によっては、外部パートナー(外注)に委ねるという選択肢もあります。
最初の一歩は「全部任せる」ではなく「一部切り出す」
いきなり大きく任せる必要はありません。
- 週に1時間使っている作業
- 後回しにしている仕事
この中から、ひとつだけ切り出す。
その小さな成功体験が、次につながります。
重要なのは、「誰を雇うか」ではなく「何を任せるか」です。
経営者に必要なのは頑張り続ける力ではなく「手放す勇気」
中小企業の経営者は、責任感が強い方が多いです。
だからこそ、自分で抱え込んでしまう。
でも、全部を自分でやり続ける限り、事業は“自分の手の届く範囲”以上に広がりません。
手放すことは、楽をすることではありません。
会社を次のフェーズに進めるための決断です。
もし今、
- 忙しいのに、前に進んでいる感覚がない
- 考える時間が取れない
- 「誰かに任せたい」と思いながら先延ばしにしている
そんな状態なら、一度「人手」ではなく「人任せ」の視点で、自社の業務を見直してみてはいかがでしょうか。
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